気持ち悪いけど気になってしまう寄生生物たち知りたい。
でも実物はちょっと見れないしキモいからな・・。
そもそも寄生生物って何をどうしてるの?
上記の通り「地球上に存在するキモい生き物」の悩みについて本書で書かれています。
普段目にのすることのない寄生生物は至るところにいて、たいてい宿主(しょくしゅ)の体内に潜んでいます。
私たち人間にも棲みついている寄生生物は存在してる可能性もあります。
本書を読むことで寄生生物のキモさが一段と増しその不思議な生態を知ることができて解決することができます。
猫将軍さんの描写がリアルでページをめくるのが恐怖になることも。
著書の大谷智道さんは、サイエンスライター、編集者で主に魚介類の寄生虫の研究を行っている方で、「増補版 寄生虫図鑑 ふしぎな世界の住人たち」など。
本書イラストを手掛けている猫将軍さんは、キャラクターデザインを得意とし主に昆虫、動物、女性、宝石、肉、スイーツなど。
本書を読んでわかること
寄生虫とは
概要
地球上に存在する約870万種の生物に内の大半は寄生生物!
身の毛がよだつ寄生生物たちが大集合!!
・脳を操って入水自殺させる寄生虫
・宿主の栄養を絞るだけしぼり用済みになったら容赦なく切り捨てる寄生虫
・ある生物の脚を増やしたり減らしたりする寄生虫
【寄生生物の紹介】一部です。
・エメラルドゴキブリバチ(宿主・ワコンゴキブリ)
熱帯地域に生息するエメラルドゴキブリバチは昆虫類に属し大きさは20㎜で宿主で大型のゴキブリと手綱を引く小型のハチ。
宿主のゴキブリはその倍はあり、巣穴まで持ち運ぶには大きすぎるため、脳神経外科医さながらの施術を行い脳に毒液を注入し行動を操作して自らの脚で巣穴まで歩かせる。
ハチはガッチリとゴキブリを捕まえると毒液で一時的にマヒさせ身体に卵を産み付け数日後にふ化。
ゴキブリの生きたままの体内を喰ってやがて翠玉いろ(すいぎょく)の成虫となる。
ゴキブリの体内を食い破り、飛び去ったハチの後には無残なゴキブリの亡骸(なきがら)が残るのみ。
・サナダムシ(宿主・人、ヒグマなど)
サナダムシの名一度は耳にしたことがあるのではないか。
条虫類(じょうちゅうるい)に分類されヒトの小腸に寄生し10メートルの長さに達する怪物のような種もいることから古くから知られている寄生虫。
生焼けの牛肉や豚肉を食べたヒトに寄生して3メートルほどの育つ。
目も口も脳もなく栄養は宿主の腸内で体表から吸収する。
サナダムシを「痩せ薬」としてサナダムシ・ダイエットを慣行し成功した逸話もあるらしいが危険なので行うべきではない。
・タイコバエ(宿主・ヒアリ)
ヒアリの性質は極めて狂暴。
自分たちにの縄張りに入ろうものなら容赦なく攻撃し強力な毒針で刺し、毒を浴びせたりして刺されると火で焼かれたような激痛が走る。
そんなヒアリを宿主とする寄生虫がいる。
南アフリカ大陸を原産国としてヒアリに捕食寄生するタイコバエ。
ヒアリの頭上でホバリングしてハイスピードでヒアリの胸部に卵を産み付け、幼虫になると頭部に入りそのまま成長するとヒアリの頭部を切り落とし地面に落ちた頭部を食べ、成長し産卵のために外界に飛び立つ。
他にも、ハリガネムシ・エキノコックス・ハナビル・など世界中の寄生虫がリアルなイラストで27匹紹介しています。
・感想
こんな生物が地球上に存在する(していた)なんて想像もしなかったですね。
そして本書のタイトルの通りグロテスクでキモい・・。
数ミクロンしかない寄生虫がある化学物質を分泌して宿主を操作する・・・ってそんな小さいのにそんなことができるんですね。
寄生虫恐ろしいです。
寄生生物が生き抜くためとはいえ、残酷で宿主は可哀想な気がしてきますね。
生物の世界というのは、ほんとうに壮大で自分の知っている世界は小さなものだと感じましたし、この瞬間も寄生生物たちは本書にかかれていることが日本のみならず世界各地で行われていると思うと、想像がつきません。
どんな生物も生きぬくために必死だということ。
そして猫将軍さんの描写が凄くて、目に見えない寄生生物たちは実際に「こんな感じの生物なのか?」と想像だけでキモくなります。
・気づき
我々の想像を超える自然界。
毎日食ったり食われたり、どの生物も生き伸びて子孫を残し繁栄させていくため、途方もない時間をかけて進化していっていたんだと思います。
その環境に適さないと生きてはいけません。
かのチャールズ・ダーウィンもこう述べています。
宿主を自在に操り、自らに都合の良い行動をとらせる寄生生物のライフサイクルは精密で巧みに設計されていて、残酷でありますが興味深い生態をもつ寄生生物たち。
目に見えないだけで身近に潜んでいるかもしれません。
食事の前後はやめた方がいいですが、寄生生物たちの世界を知りたい方オススメです。